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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Read 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) by 中里 介山 (なかざとかいざん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 349,705 characters · 678 screens
です。
それでは、そのほとばしりで、お蘭さんが逃げ出したのだ。なんでも高山では、新お代官の圧制から暴動が起りそうだ起りそうだということは、かねて聞いていたが、ではいよいよそれが起ってしまいましたかね。
愚図愚図していればお蘭さんも目のかたきにされて、殺されてしまっていたに相違ないが、あの人のことだから、素早く抜け出して来たのはまあよかった。
おかみさんはこうも胸を撫でおろしてみたが、そのうちにも、店へ入代り立代る人の噂がみんな別々です。
農兵の暴動ではない、盗賊がお代官屋敷へ忍び込んで、お代官の大事なものを盗んで逃げてしまって、まだつかまらないのだ、と言うものがあるかと思えば、いや盗賊ではない、浪人者がお代官屋敷へ乱入して、お代官を斬ったとか、傷つけたとかいうことを伝えて来るものもある。
皆それぞれ風聞を聞き伝えて来たのだが、僅か六七里の間に、いろいろ想像や捏造が加わっているらしいのを、いずれも見て来たように伝えるものだから、おかみさんも迷わざるを得ません。
その本当の要領こそ掴めなかったが、事件の中心が代官お陣屋にあることだけは疑いがない。疑いがないどころではない、現に自分はその本元から逃げて来た人を保護してやっていた――おかみさんは、いっそ人を高山までやって実地を調べさせようと思ったが、そうまでする