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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Read 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) by 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 284,014 characters · 565 screens
霜柱と柿
一時半尾根の向きが北に変って、下りが急にえらくなる。二時頃「右雁坂甲州道、左雁峠一ノ瀬部落マデ三里半」と書いた標木のある処で一休みした。丁度道普請の人夫が二人居たので、山や沢の名を聞いて見たが余り知っていなかった。此処から峠の上まで二里半であるという。二時半豆焼沢に着いて、お茶を煮ながら昼餉の残りを平げる。道がまた登りになって尾根を踰えると小さな沢を渡った。夫から滝川谷に沿うて十町も下ると旧道と合する。栃本に着いたのは四時五十分、可なり急いでも五時間近く費している。此道は黒岩尾根を遠く東に迂廻しているので、旧道とは弓と弦ほどの相違がある。一里余り遠いというから五里以上五里半は慥にあろうと思う。夕立雨はとうとう降らなかった。
二十八日。今日は将監峠を踰えて、再び三ノ瀬に下り、丹波山に出で、翌日大菩薩峠を登って、塩山から汽車に乗る積りであったが、雨が降り出したので、順路大宮を経て、午後九時五十分帰京した。
霜柱と柿
大正元年十一月十六日より十八日まで。
飯田町――塩山――三ノ瀬――唐松尾――御殿岩――将監峠――竜バミ山――大洞山――雲取山――大血川――強石。