Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Read 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) by 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 327,364 characters · 638 screens
七
銀子は家の前へ来ると、ちょっと立ち停まってしばらく内の様子を窺っていた。留守に子供たちが騒ぎ、喧嘩もするので、わざとそうしてみるのであった。
七
ちょうど最近披露目をした小躯の子が一人、それよりも真実の年は二つも上だが、戸籍がずっと後れているので、台所を働いている大躯の子に、お座敷の仕度をしてもらっているところだったが、それが切火に送られて出て行く段になって、子供たちはやっとお母さんが帰って来たことに気がついた。養女格の晴弥と、出てからもう五年にもなる君丸というのが二人出ているだけで、後はみんな残っており、狭い六畳に白い首を揃えていた。さっそく銀子たちの下駄を仕舞ったり、今送り出した子の不断着を畳んだりするのは、今年十三になった仕込みで、子柄が好い方なので銀子も末を楽しみにしていた。
銀子はこの商売に取り着きたての四五年というもの、いつもけい庵に箝め玉ばかりされていた。少し柄がいいので、手元の苦しいところを思い切って契約してみると、二月三月も稼いでいるうちに、風邪が因で怪しい咳をするようになり、寝汗をかいたりした。逞しい体格で、肉も豊かであり、皮層は白い乳色をしていた。