Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Read 福翁自伝 (ふくおうじでん) by 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 209,912 characters · 402 screens
夫れまで日本では松脂ばかりを用いて居たが、松脂では銅の類に錫を流して鍍金することは出来る。唐金の鍋に白みを掛けるようなもので、鋳掛屋の仕事であるが、塩酸亜鉛があれば鉄にも錫が着くと云うので、同塾生と相談してその塩酸亜鉛を作ろうとした所が、薬店に行ても塩酸のある気遣はない。自分で拵えなければならぬ。塩酸を拵える法は書物で分る。その方法に依て何うやら斯うやら塩酸を拵えて、之に亜鉛を溶かして鉄に錫を試みて、鋳掛屋の夢にも知らぬ事が立派に出来たと云うようなことが面白くて堪らぬ。或は又ヨジユムを作って見ようではないかと、色々書籍を取調べ、天満の八百屋市に行て昆布荒布のような海草類を買て来て、夫れを炮烙で煎て如何云う風にすれば出来ると云うので、真黒になって遣たけれども是れは到頭出来ない。それから今度は砂製造の野心を起して、先ず第一の必要は塩酸暗謨尼亜であるが、是れも勿論薬店にある品物でない。その暗謨尼亜を造るには如何するかと云えば、骨……骨よりもっと世話なしに出来るのは鼈甲屋などに馬爪の削屑がいくらもあって只呉れる。肥料にするかせぬか分らぬが行きさえすれば呉れるから、それをドッサリ貰て来て徳利に入れて、徳利の外面に土を塗り、又素焼の大きな瓶を買て七輪にして沢山火を起し、その瓶の中に三本も四本も徳利を入れて、徳利の口