Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Read 苦心の学友 (くしんのがくゆう) by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 162,732 characters · 332 screens

Aozora Bunko

その先生が特別に敬意を表している若様だと思うから、みんな、花岡さんと呼ぶ。正三君はとにかくよい徴候だと考えた。

しかし同級には数名の無法ものがいた。照彦様も他の生徒同様時おりかれらの圧迫をまぬがれえなかった。なかんずく堀口という落第生は全級のもてあましものだった。不良分子は皆こいつの子分になっていた。級担任の橋本先生はつとに見るところあって、この生徒を教壇のすぐ前に坐らせておく。身長順では上の方だが、後ろにいるといたずらをして困る。前列にすえてたえずにらんでいなければならない。実にやっかいな代物だ。落第するくらいだから学問はできないが、腕力は強い。みんな恐れている。こいつがある日のこと、運動場で正三君とゆき違いざま、正三君の帽子を払いとばして知らん顔をしていた。これが堀口生の常套手段だ。出ようによっては喧嘩をしかける。

「なにをするんです?」

と正三君はムッとした。

「家来! きさまは花岡の家来だろう?」

「家来でわるいですか?」

「わるいといついった? さあ、いつの幾日にいった?」

と堀口生はひじを張って押してきた。喧嘩は手も口も優秀だ。正三君はゆきづまって、なんとも答えることができなかった。