Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Read 苦心の学友 (くしんのがくゆう) by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 162,732 characters · 332 screens
がんばれがんばれ
内藤君はほうとうに心配してくれる。家へ帰っていても夢にやってくる。僕は内藤正三を兄さんと思えばいいんだ。
がんばれがんばれ
学校がはじまって、照彦様と正三君はまた忙しくなった。もっとも他の若様がたも同様である。安斉先生が相かわらずきびしいから、予習と自習で夜分はほとんど暇がない。それに当分の間柔道の寒稽古がある。これは早朝未明からだから苦しい。
「いやになってしまうなあ」
と照彦様は不平を鳴らしはじめた。
「なんでございますか?」
と正三君がきいた。もうソロソロぐずをおっしゃる時分と覚悟していたのである。
「僕のところは正月でもおもしろいことがちっともない」
「新年会がおもしろかったございませんか?」
「あれっきりさ」
「活動へもつれていっていただきました」
「あれはあたりまえだよ。学校の友だちは月に二度ぐらいいっている。僕たちは年に一度じゃないか?」
「カルタ会もありました」
「正月はどこにだってある。あんなものは女に負かされるからつまらない」
「柔道を毎朝習っています」
「あれは勉強だよ。遊びのたしにならない」
「まだなにかありました」
「あるものか。僕のところはだめだよ、正月でもふだんと同じことだ」