Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

らしんのにょせん

裸身の女仙

野村 胡堂

Read 裸身の女仙 (らしんのにょせん) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 14,437 characters · 29 screens

Aozora Bunko

「殿様、このお鳥を馬鹿に遊ばすのは宜しゅう御座います。山猿と一緒に育ったことも、銀の角を生やして、裸体になって飛廻ったことも嘘とは申しません、が、何んの罪もない源吉を殺したり、私の親の悪口を仰しゃっては我慢がなりません」

「何?」

お鳥の言葉は、切々として肺腑に喰い入りますが、郷太郎は起き上られぬまま、負け惜みの眼ばかり光らせます。

「私は言わば金で売られた身体で、三代相恩の家来でも、殿様の奥方でも御座いません。二年越しのお仕込みはお仕込みとして、この上我慢がなりましょうか」

「…………」

「私はもうお仕込を頂かなくとも宜しゅう御座います。此場から御暇を頂きます、殿様、そんな顔を遊ばすものでは御座いません」

「無礼者ッ」

「女から愛憎尽かしをすると、下々の者は、もう少し潔よい事を申します。殿様、もうお目にはかかりません」

「待て、待て女」

安城郷太郎の声を背後に聞いて、お鳥は立ち上りました。

「こんな窮屈なところに居るより、私は矢張り碓氷峠へ帰って、裸体で暮らしましょう。お友達だった猿や鹿が、まだ何匹かは生きて居ましょう」

涙ぐましい声になって、つと立ち上ると、何時の間に忍び寄ったか、後からガバと組付いたのは下男の鹿造、