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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Read とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) by 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 186,729 characters · 371 screens
と、そこで早速彼等は出掛けました。
そして機関庫の裏を廻って、間もなく薄穢い二階建の葬具屋――十方舎へやって来ました。
助役は先に立って這入ると、早速馴れた調子で小さな花環を一つ註文しました。
成る程、その店の主人らしい、頸の太い、禿頭の先端の尖ンがった、赭ら顔の五十男が、恐ろしく憂鬱な表情をしながら、盛んに木の葉を乾かした奴を薬研でゴリゴリこなしていましたが、助役の註文を受けると、早速緑色のテープを巻いた小さな円い花環の藁台へ、白っぽい造花を差し始めたんです。そこで片山助役はギロリと室内を見廻しました。
――その仕事場の後には、成る程「貼菓子」らしい品物を並べた大きな硝子戸棚があって、その戸棚の向うには、奥座敷へ続くらしい障子扉が少しばかり明け放してあるんですが、その隙間から、多分この店の娘らしい若い女が、随分妙な姿勢を執っていると見えて、ヘンな高さの処から、こう顔だけ出して――もっともその女は、彼等がこの店へ這入って来た時から、もうそんな風に顔だけ覗かしていたんですが、こんなにも妙に心を魅かれる顔を、助役は始めて見ました。髪は地味な束髪ですが、ポッテリした丸顔で、皮膚は蝋燭の様に白く透通り、鼻は低いが口元は小さく、その丸い両の眼玉は素絹を敷いた様に少しボーッとしてはいますが、これが又何と言いますか