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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Read とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) by 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 186,729 characters · 371 screens
支配人が口を切った。「……下手に御説明申上げたりするよりは、いっそ実物を見て頂いたほうが、お判り願えると思いまして」
「いったい君は、何を見せるつもりなんだね?」
警部が、疑い深げに問返した。
「ええ、その……私のみつけ出した、幽霊なんですが」
すると警部は遮切るようにして、
「じゃア君は、もう澄子を殺した犯人を、知ってると云うんだね?」
「ええ大体……」
「誰なんだね? 君は現場を見ていたのかね?」
「いいえ、見ていたわけではありませんが……あの時には、もう房枝さんは殺されていたんですから、あとには二人しかいないわけでして……」
「じゃア君子が殺したとでも云うんかね?」
警部は嘲けるように云った。
「いいえ違いますよ」支配人は烈しく首を振りながら、「君ちゃんは、もう貴方がたのほうで、落第になってるじゃアありませんか」
「じゃアもう、誰もないぜ」
警部は投げ出すように反りかえった。
「あります」と西村青年は笑いながら、「澄ちゃんがあるじゃアないですか」
「なに澄子?」
「そうです。澄子が澄子を殺したんです」
「じゃア自殺だって云うんか?」
「そうですよ」とここで西村君は、ふと真面目な顔をしながら、「皆んな、始めっから、飛んでもない感違いをしていたんですよ。