Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

Read とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) by 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 186,729 characters · 371 screens

Aozora Bunko

誰かと一緒に乗っていたのだ」

「成る程」

「そしてだ。その重量は、泡のある海面で、この白鮫号の上から、消えてなくなったのだよ」

「どうして?」

私は思わず問い返した。

「だって、もしもそうでなかったなら、いま僕は、こうしてこんな発見をすることは出来ないよ。その泡の海から、波にびたつかれながら白鮫号がここまで漂って来る間に、柔かな泡は、すっかり波に洗われちまってる筈だからね」

「うむ。全くだ。判った、判った。つまり深谷氏の屍体が、その泡の浮いているところで水中に投げ込まれ、船尾へロープで繋がれたんだな」

「そうだ。だがそれだけじゃあない。ただ深谷氏の屍体が船外に投げ出されただけではなく、深谷氏よりももっと重かった筈の彼以外の重量――人間なら二人の大人だ。そうだ。深谷氏の親愛なる二人の同乗者――それも、恰度その個所で船から降りてしまったのだ。つまり白鮫号はすっかり空になったわけさ。ね、いいかい、深谷氏の体重が一つ減った位では、とても白鮫号はそんなに軽く浮かないからね。試みに――」

云いかけて東屋氏は岸に飛び上った。

「それご覧。舷側の吃水線と、君の所謂泡の行列って奴との間隔を注意してくれ給え。