Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Read とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) by 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 186,729 characters · 371 screens
「御年配は?」
「さあ、四十位? と思いますが……まだお独身で、快活なお方ですから、キャプテンよりもむしろ奥様や洋吉様とお親しい様子で……」
「ああその洋吉さんと云う方は、奥さんの御舎弟ですってね」
「ええそうです。チョコレートのお好きな、随分モダーンな方で、この春大学を御卒業なさってから、ずっとこちらにいらっしゃいますわ」
「チョコレートが好き?」
私は瞬間、先程の下男の言葉を思い出して、思わず口を入れた。「それで、昨夜何時頃に寝まれましたか? 洋吉さんは」
「昨夜ですか? 存じません。なんでも黒塚様と御一緒に、久し振りだからって随分遅くまで御散歩のようでしたので――」
恰度この時、下男の早川が私達に追いついて来た。そしてもう別館の物置の入口まで来ていた私達へ、
「秤は此処にございます。一寸お待ち下さい」
そう云ってポケットから鍵を取り出した。
東屋氏は女中へ云った。
「いや、もう結構です。有難う」
そこで彼女は、ほっとしたように急いで、主館の方へ引返して行った。そして間もなく私達は物置の中へはいって、銘々に秤へ懸りはじめた。
先ず東屋氏が五六・一二〇瓩、次に私が五五・〇〇〇瓩、下男の早川が六五・二〇〇瓩。