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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Read とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) by 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 186,729 characters · 371 screens
「一寸待って下さい」
と今後は私の肩を叩いて笑いながら、
「君は、判ったかい?」
「うん、いまその、計算中だよ」
私は周章てて答えた。すると東屋氏は再び微笑しながら、
「おい先生、僕は君に挑戦するぜ。ひとつ、犯人は誰だか、当ててくれ給え。もう君は、この事件の関係者の中で、誰の体重がどれだけあるか? そしてどうすれば犯人の体重が判るか? いやそれだけではない、少くとも犯人を自分で推定することの出来るだけの、凡ての必要な材料を心得ている筈だ。さあ、見事に当ててくれ給え」
東屋氏はそう云って、私のためにノートを拾いあげてくれた。
「判っていられたなら、さっさと云って下さい」
司法主任だ。
「一寸待って下さい」
と今度は私が遮った。――こうなったら意地でも計算しなければならん。間違わぬように……
――先ず、問題の一九〇・九二〇瓩から、深谷氏の五三・三四〇瓩を引く……すると、一三七・五八〇瓩だ。さて今度は、これからこのマベ貝やランプの七一・四八〇瓩を引く……ええと……六六・一〇〇瓩だ。六六・一〇〇瓩!……はて、なんだか覚えのある数字だぞ。私は大急ぎでノートの記号を辿る……と、ああまさに、黒塚氏が六六・一〇〇瓩!