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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Read チベット旅行記 (チベットりょこうき) by 河口 慧海 (かわぐちえかい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 531,520 characters · 1042 screens
第十四回 また間道の穿鑿
新年の祝儀
これは同胞の間で犯したような者だから罰金が高いとのことです。
その外に酒と肉とバタ茶との供養費が少くも二十五円や三十円は掛ります。少し派手にやると四、五十円も掛るそうですがなるたけ派手に酒を飲ますのを名誉とし、またよく懺悔が届いたと言って誉めるです。如来は酒はよくないものであると言って在家の人にさえ戒めた位でありますのにいかにツァーランの出家にもせよ、戒律を無にして仏の前で酒を飲み汚穢を談ずるというのは怪しからぬ振舞でございます。私はこの有様を見た時ひそかに東方に向いわが堂々たる日本の仏教社会の僧侶諸君の多くも、あるいはこのツァーラン村の僧侶に対しどれだけの差をもって居らるるだろうかと思って実に悲しみました。
第十四回 また間道の穿鑿
新年の祝儀 明治三十三年の一月一日には例の通り祝意を表さなければなりませぬゆえ、この前からこの土地で得られるだけのご馳走を買い集めて揚物その他村人には珍しいような物を沢山拵えました。で例のごとく元日に天皇皇后両陛下、皇太子殿下の万歳を祝しましたが、山海三千里を隔てたるこのヒマラヤ山中において明治天皇陛下の万々歳を祝することの出来るのは実に愉快であると思うて覚えず嬉し涙に咽びました。