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よしだしょういん
吉田松陰
徳富 蘇峰
Read 吉田松陰 (よしだしょういん) by 徳富 蘇峰 (とくとみそほう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 135,622 characters · 269 screens
など二十四葉読む間に米精げ畢る、また一快なり。(翁に話候えば評していわく、オカシイ事ばかりする男といった)。
米を舂きながら会読するの先生あれば、糠を篩いながら講義を聞く生徒もあるべし。彼が他日再び野山の獄中に投ぜられたるの時において、福原又四郎に書を与え、尊王攘夷の事を論じ、諸友の因循なるを尤め、曰く、「彼らあるいはまた背き去るといえども、蓋し村塾爐を囲み、徹宵の談を忘れざるべし」と。
ああ寒爐火尽きて灰冷なるの処、霜雁月に叫んで人静なるの時、三、五の青年相い団欒し、灰に画きて天下の経綸を講じ、東方の白ぐるを知らざるが如き、四十年後の今日において、なお人をして永懐堪うべからざらしむ。いわんや時勢迫り、人物起ち、天下動かんとするの当時においてをや。
彼は教育家としては、多くの欠点あるべし。彼が主観的にして、客観的ならざる、彼が一角的にして多角的ならざる、彼が情感に長じて、冷理に短なる、胸中今日多くして明日少なき、これみな欠点の重なるものなるべし。彼は教育家としては実に性急の教育家なり。何となれば、彼は卵を孵化し、これを養い、これを育て、以て鶏と成さんとする者に非ず。