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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
Read 四次元漂流 (よじげんひょうりゅう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 63,363 characters · 128 screens
怪しい影来る
が老浮浪者はその袖を払って川北先生を押し返した。よほどの力だったと見え、川北先生はどーんと後へ引っくり返って土にまみれた。道夫がおどろいて老浮浪者にとびついたが、たちまち彼も、はげしく突き飛ばされた。なんという怪力であろう、老人のくせに……。
老浮浪者は、さっさと立去った。
怪しい影来る
その次の日は土曜日であったので、お昼がすむと、川北先生は道夫といっしょに木見邸を訪ねた。
雪子の母親は寝込んでいた。昨日雪子の幽霊をみてからすっかり気を落してしまったのである。
娘は死んだものに違いないと考えるようになったからだ。
川北先生と道夫とは、まだそう決めるのは早すぎることを交る交る説いた。そして先生よりも道夫の方がそれを熱心にいいはったのだった。
雪子の父親は不在だった。川北先生と道夫は、雪子の母親の許しを得て、研究室をもう一度調べさせてもらうことにした。
例のうす暗い長廊下を渡って、別棟の研究室へいった。扉の錠を外して、再び室内へ入った。
「ほら、やっぱり無い」
川北先生は、部屋の中央に近い卓子のところへいって、本立の間に並べて立ててある、研究ノートの列を指した。