Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
Read 四次元漂流 (よじげんひょうりゅう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 63,363 characters · 128 screens
その頃、残りの半分はこの窓から庭へ飛び下りますから」
隣組の人たちは、まだ事情がはっきり呑みこめないが、とにかく二組にわかれ、一組は廊下から表座敷を通りぬけて庭へ廻った。研究室に残った一組は硝子窓の下に飛びだす機会を待っていた。と、庭の方から叫び声が聞えた。
「いたぞ」
「こら、待てッ」
「逃がすな。皆、こい」
この声に、研究室にいた一組も、窓を開いて、薄暗い庭へ飛び下りた。そのとき、庭から廻った一組は、松の木の下をもぐって往来へ向かっている気配であった。
道夫は、一番後から窓を越して庭へ下りた。道夫の手には、携帯電灯が光っていた。それは研究室の雪子の机の上にあったもので、これ幸いと持ってでたのであった。
往来へでてみると、人々はがやがやいいながら、だんだん戻ってきた。
「暗いものだからね、とうとう見失ってしまった」
「相手が幽霊じゃ、もともとぼんやりしか見えないものですからねえ」
「やっぱり幽霊ですかね。私は、足音を聞いたように思いますよ。幽霊に足音はおかしいですからねえ。かねて幽霊には足がないと聞いていますからねえ」
「いや、私は足音を聞かなかった。そして幽霊を今田さんの塀のところまで追いつめたんだが、とたんに私は足を滑らせて、はっとしたんですがね、それでおしまいでした。