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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
Read 四次元漂流 (よじげんひょうりゅう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 63,363 characters · 128 screens
(万事休した。一体どうすればいいのか)
さすがの田山課長も、にわかに自分の目が奥へ引っこんだように感じ、力なく課長室へ引きかえした。
室内はがらんとしていた。課員はみんな外へでているからである。しかしただ一人課長の机の前でのんきそうに煙草をふかしている者があった。誰だ、その男は? あいにく室内は暗くて顔を見さだめにくい。
「課長さん。賭は僕の勝ですね。あなたの秘蔵の河童のきせるは僕がもらいましたよ」
そういった声は、蜂矢探偵に違いなかった。課長は舌打ちをした。
「おい蜂矢君、君が幽霊なんか引っぱりこむもんだから、たいへんなさわぎになったよ。大金庫まで持っていっちまったよ、あの幽霊に役所の重要物件まで持っていかせては困るじゃないか、君」
「待って下さい課長さん。お話をうかがっていると、まるで僕が幽霊使いのように聞えるじゃないですか」
蜂矢探偵はにが笑いと共にいった。
「正に君は幽霊使いだとみとめる。君のお膳立にしたがって、あのとおりちゃんと現われた幽霊だからね。なぜ君は幽霊を使って役所の大切な大金庫を盗ませたのか」
「冗談じゃありませんよ、課長さん。幽霊使いなんてものがあってたまるものですか。