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じしんなまず

地震なまず

武者 金吉

Read 地震なまず (じしんなまず) by 武者 金吉 (むしゃきんきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 98,954 characters · 195 screens

Aozora Bunko

日本の神話の中に、地震現象が全く現れないと言う事実は、筆者の想像を裏書きしてくれるように思われる。

日本の神話の中には、自然現象に基づいて作られたと考えられる話が含まれている。例えば、ヒコホホデミノミコトが海神から潮満玉と潮涸玉を授けられた話は、潮汐現象の神話化したものと考えられる。

アマテラスオオミカミの岩戸隠れは、皆既日蝕と解釈するのが最も合理的である。この神話の要点だけを抽出すると、要するに、天地が突然暗黒になった、人々が驚き怖れて宗教的儀式を行ったら、天地が再び明るくなったというのである。明らかに皆既日蝕である。岩屋の外の騒ぎが甚だしいので、アマテラスオオミカミが岩屋の戸を細目に開いてのぞき見たと言う叙述は、皆既が終わって太陽の一端が現れる時の状態そのままである。

北米インディアンの一派のイロコワ族は、太陽をしいたげる悪霊を駆逐すべく、太鼓を打ち鳴らしてわめくという。古代のスカンディナヴィア人は、日蝕は三頭の狼が太陽を食おうとするためと考えて、金属の器物をたたき、大声をあげたということである。また中国では日蝕の時に太鼓を叩く習慣があったことが、荀子に書いてある。