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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
のだ、それを助かったのだから貰って下せえ、あんた此の金で江戸へ帰らねえと、此の右内どのが犬死になりやす、命を捨てゝも主人を助けてえというのだから、此の事が世間へ知れせえしなけりゃアいゝのだ、貰って早くお屋敷へ帰って下せえ」
鹽「いえ/\家来が悪い事を致したのだから、手打ちにしても宜しいので」
角「それでは五十両で貴方の大事な物を買って往きやすべえ」
鹽「はい左様でしょうが、四年前の山水で大事なものは皆流されてしまって何もありません」
角「こりゃア貴方の悴でしょう、これを私に下さい」
鹽「何う致しまして、これは一人の悴ですからいけません」
角「お前方は年が若えから未だいくらも子が出来るよ、己ア四十二歳になるが、いまだに子がねえから、斯ういう子を貰って往けば、こんな有難え事はねえ」
清「これは何う致して上げられません」
角「鹽原の子を鹽原が貰うのだから、宜いじゃないか」
鹽「上げられません」
清「とんだ事を仰しゃいます、家来に無心を申したのも此の悴を世に出したいからでございます、何う致しまして出来ません」
角「よく考えて御覧なせえ、あんたが江戸へ往って此の家来を此方へ埋めて、江戸から此の数坂峠を越して追善供養をしに来る