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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Read 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 150,254 characters · 300 screens
最後の切りふだがだめになってしまったのだから、あとは手錠をはめられるばかりだね。」
明智のことばが、おわるかおわらぬうちに、もえさかるたいまつが、パッと飛んできました。明智がとっさに体をかわしたので、たいまつはうしろの岩かべにあたって、火ばなをちらしました。
たいまつのつぎにとびついてきたのは、人間のからだでした。四十面相が、うらみかさなる明智探偵に組ついてきたのです。
ふいをつかれて明智はたおれ、四十面相は、その上にうまのりになりました。
しかし、四十面相の味方は、かよわい女の人ひとり。明智のほうには、たくさんの警官がついています。四十面相は、一度はうまのりになったものの、すぐおしたおされて、手錠をはめられてしまいました。
手錠をはめたのは、警官たちのうしろからでてきた中村警部でした。そして、そのそばには、学生服の小林少年が、にこにこしながらつきそっていました。
「おお、中村君、小林もよくきてくれた。とうとう、四十面相をとらえることができたよ。」
明智探偵は、中村警部と小林少年に両手をのばして、あくしゅしました。
「小林さん、ぼくここにいるよ。」
黒いシャツ、黒い手ぶくろ、黒いくつした、すっぽりかぶる黒い覆面、全身まっ黒な小人が、つかつかと小林少年の前に進んで、その手をにぎりました。