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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Read 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 150,254 characters · 300 screens
おとし穴
三人はその入口に、からだをくっつけあって、立ちすくんでいました。そして、どこからか怪人の声が聞こえてこないかと、耳をすましていました。
「アッ、あそこにいる。」
上山さんが、おさえつけたような声でいいました。
洞窟の奥のほうに、ボウッとまるい青白いものがあらわれ、その中へ、まっ赤な目と口が浮きだしました。夜光怪人の首です。
スウッと、それが空中をただよって、こっちへ近づいてきます。
「あいつには、からだがあるんだ。黒いシャツをきているから見えないだけだ。とびかかって、おさえつけるんだ。いいか、そらッ!」
上山さんにつづいて、小林少年も、ポケット小僧も、夜光の首にとびかかっていきましたが、たちまち三人とも、そこへころがされてしまいました。
「ケ、ケ、ケ、ケ、……どうだ。つかまえられるなら、つかまえてみるがいい。」
いやらしい声が、洞窟にこだまして、ひびきました。
小林君も、ポケット小僧も、夜光怪人にたおされたとき、ひどく腰をうったので、きゅうには起きあがれません。たおれたまま夜光の首を見つめていました。
青白く光る首は、ツーッと、むこうのほうへ遠ざかっていきましたが、そこで黒いシャツをぬぎはじめたとみえて、銀色の肩、胸、腹、それから、腰、ふともも、足のさきまで、夜光怪人の全身があらわれました。