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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Read 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 150,254 characters · 300 screens
」
「ウフフフフフ……、おくの手があったのですよ。夜光人間には、いつも、おくの手があるのですよ。どんなおくの手だったと思いますね。ウフフフ……、夜光人間は四本の手を持っていたのですよ。」
「エッ、四本の手って?」
「二本は、ほんとうの、ほら、この手です。」
男はじぶんの両手を、ぬっと、前に出してみせました。ふしぎなことに、この男は、部屋の中でも手袋をはめていました。灰色の長い手袋で、手首のおくのほうまでかくれています。
帽子も取らないし、手袋もはめたままで、顔には、なにかやわらかいお面をかぶっているとしかおもえません。この男は、頭も、顔も、手も、すっかりかくしてしまっているのです。なぜでしょうか。これにはなにか、深いわけがあるのでしょうか。
男はやっぱり、にやにや笑いながら話しつづけます。なぜか、男のことばが、やにわにぞんざいになってきました。
「あとの二本はにせものだよ。夜光人間は、用心ぶかいのだ。いつ、つかまってもいいように、ちゃんと、にせものの腕を、マントの下にぶらさげて用意しているのだ。こんやも、チンピラ隊のやつらに、そのにせの腕をつかませたのさ。