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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Read 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) by 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 284,014 characters · 565 screens
ていた武田君が一行に加わることになった。三人は七月十七日の夜行列車で上野駅を出発して、翌十八日高崎駅に下車し、夫より電車の便を借りて沼田に至り、沼田から自動車で小日向に行き、此処で藤原へ戻る馬を頼んで荷物だけを運ばせ、三人は空身でぶらぶら歩きながら、其日の午後六時というに打上の柳淀に着いた。尤も武田君は早く帰京しなければならぬ事情があったので、私達は最初に至仏、笠品及武尊の三山に登り、其後藤島君と私とは利根の奥へ出発することに極めて、先ず至仏山へ登る目的で十九日に湯之小屋へ出懸けた。然るに案内を頼もうと思った湯屋の主人の強慾に呆れて、残念ではあったが登山を中止し、翌二十日柳淀に帰ると直に準備を命じ、藤島君と私とは二十一日に予定の旅に上り、武田君は宝川笠ヶ岳に登った後、玉原越を経て帰京の途に就かれた。私達は初の考とは多少計画を変えて、利根川水源地の登山の第一歩を小沢岳に向って投ずることにした。そして二十三日の午前十時過に漸く其頂上に攀じ登ることを得た。夫からは上越の国境山脈を辿り、露営四泊にして二十七日午後三時大白沢山の一角に達し、猫又川を下りて貉沢から至仏山に上り、ヘエヅル沢を下って二十九日に柳淀に帰着したのである。