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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Read 平の将門 (たいらのまさかど) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 232,193 characters · 463 screens
「やるとも」
と為憲は、功に燃えた。
「わしにとっても、将門は、縁につながる人々の仇敵だ……やらいでか、いつの日にか」
「しかし、先へ行くほど、将門の兵力は、強大になります。いつの日にかといってはいられません」
「味方は、誰と誰か」
「群小の族は、頼むに足りません。もしあなたが、かたく誓うならば、私は、これこそと思う胸中の一人物を、三寸不爛の舌頭にかけても、きっと起たせてみせますが」
「ふウむ……。そんな大人物が、どこにいるのか」
「ここから遠くない下野の田沼におります。あなたとは、姓も同じ藤原氏ですが、所の名を称えて、田原藤太秀郷とよばれている人ですが」
「ああ田原藤太殿か。……だが、あのような人物が、味方に起つだろうか」
「私が説客として参るからには、かならず起たせずには措きません。……かつはまた、秀郷自身にも、充分、色気はあるのです。彼が欲しいものは、何であるかを、貞盛は知っていますから」
「どうして、それが分る?」
「かつて、田沼の館に、一夜を過ごした事がある。その折の彼の語気で、彼は決して、今の下野の押領使ぐらいで、満足しているものではないことを見抜いています。