Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Read 平の将門 (たいらのまさかど) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 232,193 characters · 463 screens
夢大きく
夢大きく
「小次郎、お身も、勉強したいのか」
「したい」と、小次郎は、率直に、繁盛に答えた。
「奨学院へも、勧学院へも、入らないで、雑色なんかして働いていてはだめだ。体が疲れて、勉学など、思いもよらぬ」
「でも、奨学院へは、在原氏。勧学院へは、藤原氏の子弟でないと、入れないのでしょう」
「校則は、そうなっているが、右大臣家から、たった一言、お声をかけてもらえば、なんでもないさ。博士たちも、学者はみな、貧乏だから、袖の下も欲しがっておるし、方法はいくらもある」
「そうでしょうか……?」
「また、正面からいっても、そうじゃないか。おたがいは、坂東の地方豪族の子に生れ、公卿でも、藤原一族でもないが、系図からいえば、正しく、桓武天皇から六代めの孫たちだ――帝系じゃないか、われわれも」
「そうだ。なるほど……。けれど、右大臣家に、身をおいても、まだ一度も、忠平公からお声をかけられたことすらなし――どうして頼んだらいいだろう」
「わしのいる御子息の九条師輔さまのお館へは、折々、わしの兄が、管絃のおあいてに召されるから、そのとき、兄に話しておいてやろう。兄から、師輔さまへ、師輔さまから、父の君の忠平公へと、頼むようにすれば、きっと、お耳に達するだろう」