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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Read 幽霊塔 (ゆうれいとう) by 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 266,479 characters · 532 screens

Aozora Bunko

事は出来ぬ、穴は唯真向うを見る許りで、奥の方に何があるかは能く見て取る事が出来ぬ、其の中に時計は唯四声打って止んだから鉄板も動き止んだ、穴も元の通り真暗に成って了ったけれど余は大変な事を発明した。

外でもない、丸部家の咒語の中に、全く無意味かと思われる句が有ったが其の句は全く此の時計の此の鉄板と此の穴とを指した者だ、読者は覚えて居るだろう、第九句に「鐘鳴緑揺」とあって第十句に「微光閃※(「火+(日/立)」、第3水準1-87-55)」とあった事を、是だ是だ、鐘鳴りとは時計の時を打つ事で、緑揺くとは時計の緑色に塗った鉄板が動くと云う事、爾して微光が穴から閃いて輝いた、アア知らなんだ、知らなんだ、是で見るとアノ咒語は決して狂人の作った囈言ではない、確かな謎が籠って居るのだ、丸部家が先祖代々から其の当主にアノ咒語を暗誦させたも無理はない、秀子が切に余に向って咒語と図※(「竹かんむり/(金+碌のつくり)」、第3水準1-89-79)とを研究せよと勧めたのも茲の事だ「明珠百斛、王錫嘉福」などと云うも夫々確かな意味のあるのに違いない、是からは真面目に咒語と図※(「竹かんむり/(金+碌のつくり)」