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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Read 幽霊塔 (ゆうれいとう) by 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 266,479 characters · 532 screens
第八回 古山お酉
奴だ、道さん見てお出で成さい、アノ女が猶も貴方や叔父さんに附き纒うなら、私は屹と殺して禍いの根を留めますから」と云った、何もアノ女が余や叔父に附き纒っては居ぬ、若し附き纒って居るとすれば余や叔父の方がアノ女に附き纒って居るのだ、併し余はお浦の怪美人を殺すと云う言葉が全く真剣と云う事は此の後面前り事実を見るまで信じ無かった、信じはせぬが併し余とお浦との間は是ぎりで絶えて仕舞った、余は勿論お浦は厭、お浦も厭で幸いと云う程だろう。
第八回 古山お酉
折角の晩餐が斯う殺風景に終ったは実に残念だ、けれど今更仕方がない、余は兎も角も怪美人と虎井夫人とに逢い充分謝せねばならぬと思い、お浦を捨て置いて怪美人――イヤ最早怪美人ではない単に松谷秀子だ――其の松谷秀子の居る室の前まで行った、何と云って謝した者か、事に由ればお浦を狂女だと言い做しても好い、あの今夜の振舞は狂女よりも甚しい、爾だ狂女とでも言わねば到底充分に謝する道はない、と斯う思って少し戸の外で考える間に、中浦から異様な声が聞こえた。確かに松谷秀子と虎井夫人とが争って居る。「イイエ、貴女が何と仰有っても嘘を吐いたり人を欺いたりする