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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Read 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) by 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,233 characters · 223 screens
『じゃ、なぜまんまと殺したのに、尚も匕首なんかを使ったんですか――、どういう風に使ったんですか』
春生は尚も、訊きかけた。
『それは、一見不可能のような犯罪にして、人の眼を欺くつもりか、それともその人間が極悪非道な奴で、直接突きさしたい慾望を持っていたかも知れない、おそらくはその両方の原因からだろう――。
二十間もはなれて、その間に、大勢の人が居ながら、すぐ傍にいた学生を除いては、第一に馳つけて来た、ということは、その娘にずーっと注意していた、ということの証拠になると思うね。二十間も先にいて、その傍の人さえ、まだ何が起ったのか知らんうちに、飛んで来て「どうしました」なんて抱き起す――というのは、前からそれがなんだか知っている人間でなければ出来んよ……。刺した方法? それは簡単さ、「どうしました」といって抱き起し乍ら、素早く胸に匕首を打込むこと位、計画的にやればわけはない。そして自分で、「あっ――」と驚いてみせれば効果は満点だ。
生身に匕首を突刺されて、叫び声一つたてぬ筈がない、これはその時すでに完全に死んでいた証拠さ、それには一寸毒殺以外にない』
鷺太郎と春生は、この明快な解答に、