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りょうりいっせきばなし
料理一夕話
北大路 魯山人
Read 料理一夕話 (りょうりいっせきばなし) by 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 8,841 characters · 18 screens
ふつうの家では一人前五円なら五円の中になにもかも弾き込んで、損をせぬように、儲かるようにとするんですから窮屈な話でして、一々なにがいくら、かにがいくら、と値段が付いていて、漬けもの一皿まで勘定書にのって来ます。ですから、結局様々な追加予算をさせられて、帰りには高いものを食べたことになっちまいます。漬けものなんかは出し惜しみせず、大きな鉢に盛って出して置いたらよさそうなもんですがね。なんでも、大名気分で、して行かなきゃダメですね。気持が卑しくてはダメです。家の料理人などにもよく言い付けておくんですよ。経済上のことはこちらで責任を持つから心配するな、品がよければよいのだ、腕が冴えればよいのだ、と言って聞かせるんですよ。一々細かなソロバンを弾いていたのでは、よい品が目の前にブラ下がっていても、手が出せませんからね。一年全体の見当で行けば、いくらでも融通が利きます。やはり、何事も見識で行かなきゃ嘘ですよ。
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うちらでもよく板場や女中たちにと言ってお客さんからお祝儀が出ますが、受けとらないことにしています。しかし、止むを得ない場合は帳場で受け取っています。