Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Read 新書太閤記 (しんしょたいこうき) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 180,256 characters · 361 screens

Aozora Bunko

(いずれ後日、小六から改めて、ごあいさつ致すであろう)

と、彼は、自分の汚名のように主へ誓って、その恥と憤りを、眉に抱いて帰ったのである。

どうだ?

おぬしらの考えるところは。

と、小六から今、沈痛に問われはしたが、さて、稲田大炊助にも、青山新七にも、半之丞や内匠にしても、

(こうなされては)

と、すぐ答えられるような名案もなかった。

これが、自分たちのような、家来筋ならば、何とでもいえる。また、どうにでも、処分はつく。

だが、その処分すべき人間が、主人の小六とは、血のつながっている甥の天蔵なのだ。御厨村に住んで、蜂須賀一族のわかれとして、常々、飼侍の二、三十人は家に置いている渡辺天蔵である。

だが、小六はかえって、血のつながっている人間だけに、

「不埒な――」

と天蔵の悪事を、心から憎んで止まないのだった。

「迂闊だが、思いあわせれば天蔵の奴、近ごろ身に綺羅をかざり、女など幾人も蓄えているとか、不審なかども目に見えてあった。――家の名にかけても、彼奴を、捨ててはおかれぬ」

すこしの間をおいては、こう憤りの呻きのように、小六はひとり呟いた。

「……さもなくてさえ、土豪という家門のかなしさには、蜂須賀一族もまた、野盗の野武士ずれや、破廉恥な浮浪人どもと同視されて、この小六正勝の耳にすら――あれは野武士の頭目と――