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うたよみにあたうるしょ
歌よみに与ふる書
正岡 子規
Read 歌よみに与ふる書 (うたよみにあたうるしょ) by 正岡 子規 (まさおかしき) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 17,419 characters · 35 screens
十たび歌よみに与ふる書
初めの方に字余りの句あるがために後にも字余りの句を置かねばならぬ場合はしばしば有之候。もし字余りの句は一句にても少きが善しなどいう人は字余りの趣味を解せざるものにや候べき。〔『日本』明治三十一年三月三日〕
十たび歌よみに与ふる書
先輩崇拝ということはいずれの社会にも有之候。それも年長者に対し元勲に対し相当の敬礼を尽すの意ならば至当のことなれども、それと同時に何かは知らずその人の力量技術を崇拝するに至りては愚の至りに御座候。田舎の者などは御歌所といえばえらい歌人の集り、御歌所長といえば天下第一の歌よみのように考え、従ってその人の歌と聞けば読まぬ内からはや善きものと定め居るなどありうちのことにて生も昔はその仲間の一人に候いき。今より追想すれば赤面するほどのことに候。御歌所とてえらい人が集まるはずもなく御歌所長とて必ずしも第一流の人が坐るにもあらざるべく候。今日は歌よみなる者皆無の時なれどそれでも御歌所連より上手なる歌よみならば民間に可有之候。田舎の者が元勲を崇拝し大臣をえらい者に思い政治上の力量も識見も元勲大臣が一番に位する者と迷信致候結果、新聞記者などが大臣を誹るを見て「いくら新聞屋が法螺吹いたとて、大臣は親任官、新聞屋は素寒貧、月と泥亀ほどの違いだ」