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ちゅうもんのおおいりょうりてん

注文の多い料理店

宮沢 賢治

Read 注文の多い料理店 (ちゅうもんのおおいりょうりてん) by Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 106,269 characters · 223 screens

Aozora Bunko

ついお見外れして すみません。」

柏の木大王も白いひげをひねって、しばらくうむうむと云いながら、じっとお月さまを眺めてから、しずかに歌いだしました。

「こよいあなたは ときいろの

むかしのきもの つけなさる

かしわばやしの このよいは

なつのおどりの だいさんや

やがてあなたは みずいろの

きょうのきものを つけなさる

かしわばやしの よろこびは

あなたのそらに かかるまま。」

画かきがよろこんで手を叩きました。

「うまいうまい。よしよし。夏のおどりの第三夜。みんな順々にここに出て歌うんだ。じぶんの文句でじぶんのふしで歌うんだ。一等賞から九等賞まではぼくが大きなメタルを書いて、明日枝にぶらさげてやる。」

清作もすっかり浮かれて云いました。

「さあ来い。へたな方の一等から九等までは、あしたおれがスポンと切って、こわいとこへ連れてってやるぞ。」

すると柏の木大王が怒りました。

「何を云うか。無礼者。」

「何が無礼だ。もう九本切るだけは、とうに山主の藤助に酒を買ってあるんだ。」

「そんならおれにはなぜ買わんか。」

「買ういわれがない。」

「いやある、沢山ある。」

「ない。