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ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
Read 注文の多い料理店 (ちゅうもんのおおいりょうりてん) by Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 106,269 characters · 223 screens
かしわばやしの夜
清作は、さあ日暮れだぞ、日暮れだぞと云いながら、稗の根もとにせっせと土をかけていました。
そのときはもう、銅づくりのお日さまが、南の山裾の群青いろをしたとこに落ちて、野はらはへんにさびしくなり、白樺の幹などもなにか粉を噴いているようでした。
いきなり、向うの柏ばやしの方から、まるで調子はずれの途方もない変な声で、
「欝金しゃっぽのカンカラカンのカアン。」とどなるのがきこえました。
清作はびっくりして顔いろを変え、鍬をなげすてて、足音をたてないように、そっとそっちへ走って行きました。
ちょうどかしわばやしの前まで来たとき、清作はふいに、うしろからえり首をつかまれました。
びっくりして振りむいてみますと、赤いトルコ帽をかぶり、鼠いろのへんなだぶだぶの着ものを着て、靴をはいた無暗にせいの高い眼のするどい画かきが、ぷんぷん怒って立っていました。
「何というざまをしてあるくんだ。まるで這うようなあんばいだ。鼠のようだ。どうだ、弁解のことばがあるか。」
清作はもちろん弁解のことばなどはありませんでしたし、面倒臭くなったら喧嘩してやろうとおもって、いきなり空を向いて咽喉いっぱい、