Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
Read 注文の多い料理店 (ちゅうもんのおおいりょうりてん) by Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 106,269 characters · 223 screens
一郎はからだをかがめて、
「おい、きのこ、やまねこが、ここを通らなかったかい。」
とききました。するときのこは
「やまねこなら、けさはやく、馬車で南の方へ飛んで行きましたよ。」とこたえました。一郎は首をひねりました。
「みなみならあっちの山のなかだ。おかしいな。まあもすこし行ってみよう。きのこ、ありがとう。」
きのこはみんないそがしそうに、どってこどってこと、あのへんな楽隊をつづけました。
一郎はまたすこし行きました。すると一本のくるみの木の梢を、栗鼠がぴょんととんでいました。一郎はすぐ手まねぎしてそれをとめて、
「おい、りす、やまねこがここを通らなかったかい。」とたずねました。するとりすは、木の上から、額に手をかざして、一郎を見ながらこたえました。
「やまねこなら、けさまだくらいうちに馬車でみなみの方へ飛んで行きましたよ。」
「みなみへ行ったなんて、二とこでそんなことを言うのはおかしいなあ。けれどもまあもすこし行ってみよう。りす、ありがとう。」りすはもう居ませんでした。ただくるみのいちばん上の枝がゆれ、となりのぶなの葉がちらっとひかっただけでした。
一郎がすこし行きましたら、谷川にそったみちは、もう細くなって消えてしまいました。