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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

Read 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) by 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 100,616 characters · 201 screens

Aozora Bunko

しかし、この大洋のまんなかで、日がくれてしまったらたいへんだ。新しい島を見つけるどころか、われらの島へ帰ることもできなくなるだろう。

だが、日がくれれば星が出る。北極星は、真北にあるのだから、北極星を見て、方向をたしかめることができるけれども。

私は、立ちあがって、ぐるりと見まわした。やはり、まるい水平線ばかりで、島らしいものの、かげもない。

なおも漕ぎつづけて、とうとう午後三時頃になった。

「見えましたっ」

とてつもない大声で、会員の川口がどなった。

なるほど、指さす水平線に、ちょんぼり、針の先でついたほどの黒点が見える。まさしく島にちがいない。しめた。これさえつかまえたら、島はもうわれらのものだ。川口はいちばん背が高いので、だれよりも早く、島を発見することができたのだ。

島に近よると、大きさは、われわれの住んでいる島の、二倍はあろうか。ひくい島で、草やつる草はしげっているが、木は一本もない。海鳥がたくさんいる。

島にあがってみておどろいた。たいへんな流木だ。島のまわりいちめんにうちあがっていて、その間に正覚坊が、ごろごろしているではないか。

「これはいい島だ」