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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Read 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) by 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 100,616 characters · 201 screens
むかし西洋で、軍艦が木船であった時代には、
「敵の大砲の弾丸よりも、船食虫の方がおそろしい」
とさえ、いわれたのだ。
それで、この船食虫をふせぐのには、どうしたらいいか、これには、大昔からずいぶん長い間木船に乗る人たちは苦心したものだ。西洋では、二千年の昔、木船の底を、うすい鉛の板でつつんだ。こうすれば、虫はあなをあけないが、海藻や貝のつくのはふせげない。のちに英国海軍では、軍艦の底を、鉛の板でつつむことをやめてしまった。それは、鉛の板でつつむと鉄の釘や、舵の金物が、くさったようにひどくぼろぼろになってしまうからだ。
そして、今から百八十年ほど前、英国で、一隻の木造軍艦の底を、銅の板でつつんで試験をしたところ、月日がたっても、速力が少しもへらない。これはすてきだと大喜び。それから木の船は、みんな、銅のうすい板で底をつつむことになったのだ。今日では、銅のほかに、黄銅でもつつんでいる。
銅の板には、虫があなをあけない。そして、やはり海藻や貝は、くっついて成長する。けれども銅と海水が化合して、銅の板の表面に、硫酸銅や、炭酸銅という、かさぶたのようなものができる。