Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Read 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) by 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 100,616 characters · 201 screens
さて、おいらが四歳の年の一月に、アメリカのサンフランシスコのいなかで、砂金がざくざく出るのを発見した者があった。そして、アメリカやヨーロッパのよくばり連中が、シャベルをかついで、さびしいいなかの港、サンフランシスコに、わんさわんさと出かけて行っては、砂金をほった。
砂金がほしいよくばり病は、捕鯨船の乗組員に、すぐ伝染した。アメリカの、太平洋の港に碇泊中の、捕鯨船の水夫、漁夫、運転士までが、
「鯨よりも、砂金の方がいい」
といっては、手荷物をかついで、船をおりたり、また、にげ出して行った。それで、何隻もの捕鯨船が、港に錨を入れたまま、動けなくなってしまった。それから急に、アメリカの捕鯨船は、だめになった。
だが、おいらの父親は、生まれつきの鯨とりだった。砂金なんか、見むきもしなかった。気もちのいい小笠原がすきだった。
さて、おいらの願いがかなって、父親の船に乗せてもらって、太平洋へ鯨をとりに出かけたのは十一歳の春(安政二年)だった。うれしかったね。なんでも、早く一人まえになって、一番銛をうってやろうと、思ったね。
はじめは、帆柱の上にある、ほんとうの見張所の下に、樽をしばりつけてもらって、その樽の中にはいって、見はり見習いをやった。