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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Read 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) by 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 100,616 characters · 201 screens
それは、赤道から、もっと南の方、南緯二十度のところに、トンガ諸島というのがある。それは、百個ばかりの小さな島の集まりだが、この中の一つ、ニューアフォー島のことを、水夫なかまでは、「ブリキ缶島」といって、ほんとうの島の名をいわないのだ。
この小島は、どっちを向いても、いちばん近い島が、三百カイリもはなれているけれども、フィジー島とサモア島の間をかよう、汽船の航路のとちゅうにあたっているので、この島あての郵便物は、汽船が通りがかりに持ってきてくれるのだ。
しかし、この島のまわりは、波があれくるって、郵便物を汽船から島へおろすことも、島からボートを漕ぎ出して、汽船に行って受け取ることもできないときが多いのだ。そこで、波の荒い季節中、この島あての郵便物を、ブリキ缶にかんづめにして、島の風上から、海に投げこんでおいて、汽船はそのまま通りすぎて行く。島からは、これを見ていて、およぎの達者な住民がおよいでいって、このかんづめ郵便物を、波の間からひろってくるのだ。それでこの島が、ブリキ缶島とよばれるようになったのだ。
草ブドウ
島にあがってから、われわれは、急にやばん人のような生活をはじめて、飲み水は、塩からい石灰分の多い井戸水。