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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

Read 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) by 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 100,616 characters · 201 screens

Aozora Bunko

そこへ、日がくれてから、水夫長が、水夫部屋へとびこんできた。

「おい、みんな聞いたか、あす、十六人をミッドウェー島へ移すのだとさ」

「どうして、本船に乗せないのです」

「糧食と飲料水の心配なら、わしら、いままでの半分でも、四半分でも、がまんします。どうか、本船に乗せてあげてください」

「そうだとも。十六人は、わしらのお手本だ」

「船長に、みんなで、お願いしよう」

こんなわけで、一同の願いがきき入れられて、十六人は、的矢丸に乗り組むことになったのだ。船長も、はじめから、こうしたかったのだ。しかしそうすれば、乗組人数は、これまでの二倍になる。米は、数ヵ月よぶんによういしてあるからだいじょうぶだが、水タンクの大きさにはかぎりがある。飲料水は、いままでの一人一日の量を半分にしても、こののち幾日も雨が降らず、水がえられないと、さらに三分の一にも、へらさなくてはなるまい。これを、部下の船員が、はたしてしんぼうするだろうか。この心配から、気のどくではあるが、十六人に、ミッドウェー島で待っていてもらうことを考えたのであった。

母国の土

的矢丸は、できるだけ水を節約しつつ、愉快な航海をつづけた。