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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Read 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) by 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 100,616 characters · 201 screens
はじめに見たのが、ニイホウ島であった。荒れはてた、岩ばかりの島で、人は住んでいない。しかし、大昔には、人が住んでいたので、ひくい石の壁でかこまれた、式場らしいところや、たくさんの石像が残っているし、また、昔、船で渡ってきた人たちが残していったものもあって、博物館のような島である。海鳥も、魚も、多かった。
つぎに見たのは、海底火山がふきだした熔岩でできた、ごつごつの島であった。島の根は、海中にするどくつき立って、あくまで、波と戦っていた。
大洋からおしよせる青い波の大軍は、一列横隊となって、規則正しく、間隔をおいて、あとからあとから、岩の城めがけて、突進し、すて身のたいあたりをする。そのひびきは、島をゆるがし、まっ白にくだけた波は、くずれ落ちて、岩の根にくいつく。また、はねあがるしぶきは、高い絶壁をおおい、熱帯の強い日光があたって、絶壁の肩に、七色の虹をかけている。このたたかいは、はてもなく、くりかえされているのである。
船の人たちは、ときどき、こんなことを、まのあたりに見て、今さらのように、大自然の力強さを、しみじみと教えられるのである。そうして、この自然の力にくらべれば、人間の力は、よわいものだとわかればこそ、かえって、精神力が、ふるいたつのであった。