Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Read 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) by 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 100,616 characters · 201 screens
ランプは、いくらつけても、すぐ消えてしまう。風はないが、波のしぶきが、たえずかかるからである。みんなは、まっくらやみの中を、海水を頭からあびながら、手さぐりで、物を集めるのであった。
波にうたれて、船体は、めき、めき、ぎいい、ぎいい、とへんな音がしてきた。大波が、どしいんとぶつかるたびに、きっと、どこかをこわし、何かをさらって行った。
さらわれないように、しっかりしばりつけた漁船は、たった一つの大波が、ざぶうん、とおそいかかると、粉みじんにくだけて、小さい破片も残さなかった。しかし、漁船をまもっていた四人の漁夫は、さすがに、いくどか大しけの荒波をしのいできた勇士だ。一人のけがもなく、ぶじに残った。
私は、みんなに命令するとすぐに、船長室に飛びこんで、必要な書類を一まとめにして、しっかりとふろしきづつみにして、寝台の上においた。それからずっと甲板に出て、指図をしているうちに、大波が、右舷からうちこんで、船長室の戸をうちやぶり、左舷へ通りぬけて、室内の物を、文字通り、洗いざらい持っていってしまった。海図も、水路誌も、コンパスも、波がさらっていった。