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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

Read 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) by 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 100,616 characters · 201 screens

Aozora Bunko

そして、水夫長と、元気な会員の川口と、泳ぎの達者な帰化人の父島が、つぎつぎに船にやって来た。そして、手近なうく物を海へ投げこむと、ざあっ、と岩の方へ流れて行く。岩の方では、それを待ちかまえて、一つ一つひろいあげ、波にさらわれないように、岩のまんなかに運ぶのが見える。うく物は、索道ではこぶ必要がないのである。

食糧品をだそうとしたが、船底にちかい糧食庫は、すでに海水がいっぱいになってしまって、はいっていけない。料理室に、米が一俵あった。これは、料理当番にあたった者が、前の晩、朝飯の用意に、下からかつぎ出しておいたものだ。そこで、これをぬらさずに、岩におくる方法を考えた。

米俵のまま、二枚の毛布につつみ、その上を、雨合羽でよく包んで、大きな木の米びつにいれてしっかりふたをした。またその上を、防水の油をぬってある、帆布でつつみ、しっかりと索でしばって海に投げこむと、うまいぐあいに岩にとどいて、米はぬれなかった。

つぎに、ぬれ米を一俵さがしだした。入れて流す箱がない。そこで、俵が破れぬよう、帆布でつつんで索でしばり、これに、石油の空缶二個をしばりつけ、空缶の口には、ぼろきれの栓をした。