Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Read 福翁自伝 (ふくおうじでん) by 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 209,912 characters · 402 screens
いよ/\普請の出来たのはその年(明治元年)四月頃と覚ゆ。その時私の朋友などは態々止めに来て、「今頃普請をするものがあるか、何処でも家を毀わして立退くと云う時節に、君独り普請をしてドウする積りだと云うから、私は答えて、「ソリャ爾うでない、今僕が新に普請するから可笑しいように見えるけれども、去年普請をして置たらドウする。いよ/\戦争になって迯げる時にその家を担いで行かれるものでない。成程今戦争になれば焼けるかも知れない、又焼けないかも知れない、仮令い焼けても去年の家が焼けたと思えば後悔も何もしない、少しも惜しくないと云て颯々と普請をして、果して何の災もなかったのは投機商売の中たようなものです。何でも私の処で普請をした為めに、新銭座辺は余程立退きが寡かった。彼処の内で普請をする位だから戦争にならぬであろう、マア引越を見合せようと云て思止まった者も大分あったようだ。けれども実は私も心の中では怖いさ。何処から焼け始まってドンな事になるか知れぬと思うから、何処かに迯げる用意はして置かなければならぬ。屋敷の中に穴を掘て隠れて居ようか、ソレでは雨の降るときに困る。