Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

Read 私本太平記 (しほんたいへいき) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 126,598 characters · 254 screens

Aozora Bunko

出屋敷の倉番、帳方、舟手、軽子頭、その他、ここで諸役についている者は、おおむね無籍無禄の浪人だった。

かれら浪人の生態や、日頃の言なども、おもしろい。「おれの祖は、七、八代前までは、平家の小松殿の身内だったが、壇ノ浦このかた落ちぶれて」と、いうのもあるし。「おれどもの家は、木曾殿と共に都へ上って、一時はこの地方で、全盛をきわめたものだが」と、喞つもあり、蒙古襲来の役に、わしの大祖父は、どう働いたとか。承久ノ乱では、宮方へついたがため、家名を失い、以後はこの通りな半百姓だ――などと、いずれも、今の我が身には誇れもせず、ただ、過去ばかりを回顧しあっている手輩だった。

そして、明け暮れ、ばくちに耽ったり飲ンだりの、自堕落な中に甘ンじている者かと思えば、そうでもない。

「――時に会えば、俺だってこうしてはいない」とか。「世が悪いのだ、正しい世直しが行われれば、俺どもも立ち直る」などという放言の裏に、何か事あれかしの一ト旗を考えて、それには石川の散所ノ太夫などが、たのもしい木蔭と寄って、いつか徒党をなしたものである。

ここのみならず、こうした浪人輩は、公家という地主や、武家天下の地頭制の地割りなども一定された今では、かつての如き、土地の斬り取り強盗もできないところから、自然、世路に充満していて、叡山みたいな法城に