Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Read 胡堂百話 (こどうひゃくわ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 124,386 characters · 248 screens
何かの座談会だったかで、辰野隆博士にも、むろん、軽いじょうだんだろうが、そういう意味のことをきかれた。投書なんぞは、いくら来たか、数が知れない。
しかし、小説の主人公に年を取らせるくらい愚なものはない。太閤記とか、弘法大師一代記とかいうものは別であるが、シャーロック・ホームズや地下鉄サムが、月日とともに老いこんでゆくなどは、読者にとって幻滅以外の何物でもない。モーリス・ルブランのルパンが、その馬鹿馬鹿しい例を示しているが、幸いにして我国の捕物作家諸氏のかく捕物名人は、いつまでも、若くてスマートだ。平次が八十五にもなって、お静さんと二人で杖をついて、お寺まいりに行くところなんぞは、誰がなんと言っても、私は書かない。ここに大衆文芸の、面白さのコツがあると言ってよい。
平次の住まいを、何故、神田にしたか? これはもう、どうしたって神田である。芝で生れて神田で育ち……というが、言葉の音感からいったって、やはり、芝よりも神田だろう。
ちょうど、そのころ、社僚の本山荻舟君が、あの辺に世帯を持っていた。明神下よりは、もっと池の端へ寄ったあたりだったが、ちんまりと小綺麗に住んでいた。