Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Read 胡堂百話 (こどうひゃくわ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 124,386 characters · 248 screens

Aozora Bunko

われ、めしいては

芦田君の訃報をきいて、あの夕映えの運動場を、まず思い浮かべた。

金森君は一級下だが、そのころから、妙にウマが合った。国会図書館長として、アメリカの図書館を視察に行った時、帰国早々、逢って話した。

「アメリカでは、何を調べて来たのだね?」

「むこうの国会図書館へ行って、代議士さんたちは、何を読むのかきいてみた」

「すると?」

「係り員が話してくれたよ。大抵は、探偵小説を借り出すそうだ」

私は、なるほど、と思った。この話は、アメリカの代議士の知性の低さを示すものでは、決してない。コナン・ドイルが本当に読めて、あの味の分る人が増えてきたら、日本の国会だって、もう少しは、知性的になるだろうと思う。

われ、めしいては

滝沢馬琴が『南総里見八犬伝』を書いたのが、前後二十七年間かかっている。奇しくも、私の銭形平次と同じである。

里見家の姫君、伏姫の腹から生れた八犬士が、えにしの糸に結ばれて、いよいよ大団円に近づこうというところで、筆者の馬琴は眼が見えなくなった。多年の読書と執筆で、視力を使いすぎたためもあろうが、現代医学の分類でいえば白内障にかかったのである。

私の場合も、銭形を書いて二十五、六年目から、視力がだんだん薄くなった。