Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Read 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 193,761 characters · 388 screens
奇々怪々
ふたりとも、今にも逃げだしそうなようすでしたが、木下君はグッと、ふみとどまって、島田君のうでを、つかみました。そして、かすかなささやき声で、
「行ってみよう。」
と言いました。そう言われると、島田君も逃げだすわけにはゆきません。勇気をふりしぼって、
「行ってみよう。」と答えました。
奇々怪々
二少年は、よつんばいになると、石やれんがのゴロゴロした地面を、ジリジリと用心ぶかく、はいすすんで、やっと、怪紳士の消えた入り口のようなところに、たどりつきました。
島田君は右がわ、木下君は左がわの、こわれたかべぎわに、身をふせ、からだをかくして、れんがのこわれたあいだから、目だけをだして、建物の奥をのぞきました。ろう人形は、十メートルほどむこうのれんがのかべの前に、こちらをむいて、立ちはだかっていました。そして、ふしぎなことに、オーバーをぬぎ、上着をぬぎ、今、白いシャツまでぬごうとしているところです。
シャツのボタンが、ひきちぎれるように、一つ一つはずれてゆき、いちばん下のボタンがはずれたかと思うと、白いシャツがフワッと宙に浮いて、地面におちました。
ああ、そのときの二少年のおどろきは、どんなだったでしょう。