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うんなんしゅびへい
雲南守備兵
木村 荘十
Read 雲南守備兵 (うんなんしゅびへい) by 木村 荘十 (きむらそうじゅう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 37,859 characters · 76 screens
俺達が撃ち合っているうちに何百人居なくなるか、俺が騒動を起したら全鉱区でどんなことが持上るか、フン、砲撃するならして見ろ」
中尉は孫伍長をなめ切っていた。
「中尉殿は命令に従わないのでありますか」
「命令? 小僧ッ、伍長が将校に命令するのか」
「守備隊長殿の命令であります。一応命令書を御覧下さい」
孫伍長はポケットを探った。
「命令が何だ。この山を越えりゃア守備隊長も糞もあるもんか。俺を向うに廻してこの鉱区の守備が勤まるなら……」
言葉の終らないうちに、銃声がして、ううッと中尉が鉄鞭を振り上げながらよろめいた。
孫伍長はポケットの中で撃った拳銃を無造作にとり出して倒れかかる中尉へ更に数弾を浴せかけた。犬でも射殺するような態度だった。
そして呆気にとられている二人の衛兵に、薄煙りの出ている拳銃をしゃくって云った。
「みんなに相談して来い。この中尉の仇をとって全滅の覚悟をするか新任の沈大佐殿に従うか」
衛兵が、銃をあげて仲間の抵抗を止めながら駈け込んだ隙に、孫伍長は、部下を呼込んで、その一角に素早く軽機関銃を据えさせた。
しかし、残った守備兵は、孫伍長の遣り口に気を呑まれたのと、兵に責任は無いと保証されたのに、安心して、下士以下一人も反抗するものはなかった。