Japanische Klassiker mit Furigana
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あなたもわたしも
あなたも私も
久生 十蘭
Lesen Sie あなたも私も (あなたもわたしも) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.405 Zeichen · 263 Bildschirme
愛一郎は、最近、母の日記を読み、死んだ妻にたいする父の美しい追憶を守るために、母が思いを残した手紙の束を、とりかえそうと決心したものらしい。あの夜、サト子が聞いたのは、だいたい、そんなふうな話だった。
「そうなのよ。変っているけど、いい青年だと思うわ」
「アヤマチといっても、秋川と結婚する以前の出来事で、愛一郎には関係のないことなんだから、たしかに、変ってるね……あんないい息子を持っている秋川というひとが、うらやましくなったよ」
「すると、愛一郎は、なにもかも、あなたにうちあけたわけなのね?」
中村は、うなずいた。
「もっとも、言わせるように術を施したからなんで、そうでもしなければ、なかなか口を割らなかったろう……だが、あれは、釣りだされたとは考えていないようだ」
無慈悲な中村の横顔を見ているうちに、サト子は、手がふるえるほど、昂奮してきた。
「愛一郎が恐れているのは、美しいイメージをもっている父親に、幻滅の悲哀を味わわせたくないということなんでしょう……そんなにまでして隠そうとしている尊属の秘密を、みなのまえでさらけだしたんですか」
中村は、苦味のある微笑をうかべながら、