Japanische Klassiker mit Furigana
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あなたもわたしも
あなたも私も
久生 十蘭
Lesen Sie あなたも私も (あなたもわたしも) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.405 Zeichen · 263 Bildschirme
エゴイズムといったようなもの……」
由良は欠伸をしながら、壁の電気時計を見あげた。
「おしゃべりは、これくらいにしておきましょう。約束は何時なの?」
「四時です」
「自信がありそうなことを言っているけど、あてになる話なのかしら」
「西荻窪へ、アメリカから、また手紙が来ていました。届けてやると言って、預ってきましたが……」
由良が椅子から身体を乗りだした。
「この前の手紙のつづき、といったようなものなの?」
「水上氏の遺言に立会った、二人の証人のうちのひとり……シアトルの有江曽太郎というひとの手紙なんですが、おばさまとしては、聞きにくいところがあるかもしれない……本来なら、長女のところへ行くはずのものが、なぜ、あなたを素通りして、お孫さんのサト子さんのほうへ行くようになったか、そのへんの事情が、その手紙に、くわしく書いてありました」
「オセッカイな手紙だわね」
芳夫が、白々とした顔でつづけた。
「終戦の四年目に、ご尊父が乞食のような恰好で、アメリカから帰っていらした……」
「目もあてられない様子だったわ」
「じぶんのもののような顔で、居すわっていられるが、飯島の家は、本来、水上氏のものなんでしょう。